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□きみの処方箋□

作者>月村奎
挿絵>鈴木有布子
レーベル>ディアプラス文庫

きみの処方箋 きみの処方箋
月村 奎 (2004/08/10)
新書館
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<あらすじ>
父を知らずに育った智朗は、たった一人の家族だった母を亡くして伯父の家に引き取られた。
けれど頑固な伯父とは衝突してばかりのうえ、従兄の克巳からは屈託もなく言い寄られ、智朗は早くこの家を出て独り立ちしたいと思っていた。ところが、心臓の病にも負けずに明るく見えた克巳には、実は智朗が思いもよらぬような秘密があり…。

<読書メモ>
母子家庭で育ち、母を亡くしてから伯父の家で生活をするぶっきらぼうだけど本当は優しい高校生・智朗×幼い頃の高熱が原因と思われる心臓疾患を抱える明るく無邪気な智朗の従兄・克巳のお話。

1度目・・・驚き。2度目・・・イタイ。3度目・・・涙。
3回読んで、それぞれ、違う感想を抱きました。

・きみの処方箋
・ヰタ・セクスアリス
・病めるときも健やかなる時も
この3章は智朗と克巳メインのお話です。

唯一の家族だった母を亡くし、開業医の伯父の家に引き取られた智朗。その伯父の息子で智朗にとって従兄になる一つ上の克巳。
二人の出会いは智朗がまだ伯父に引き取られる前、二人にとっての祖母の通夜ででした。
その時にお互いひと目惚れをしていたのですが、そのことが判明するのはお話の最後の方になります。
不器用で、常に伯父に面倒を見てもらっていることに遠慮し、複雑な過去に囚われ卑屈になっている智朗に対し、心臓にハンデを抱えながらも、そのことに対する不安を表に出すこともなく前向きで、素直な克巳。
対称的な二人が、一つ屋根の下、家族として交流していくうちに、智朗が伯父に引き取られた経緯や智朗の母親のこと、いないものとして認識していた智朗の父親のこと。そして克巳の抱える過去が次々に明かされて行きます。

読み始めてしばらくは、いとこ同士の淡い恋を智朗の過去と克巳の病気を絡めて書いた切ないお話で、もしかしたら最後に克巳が命の危険にさらされて・・・などと勝手に結末を想像していたのですが、克巳の幼馴染みと言う草子と言う少女が登場してからは、その想像は打ち砕かれることになりました。
智朗と克巳の関係もそこから急転します。
と言っても、大きく変わるのは智朗自身の意識だけで、少し前向きになれた智朗が克巳に自分の想いを告げるだけなのです。
が、智朗の告白でお互いの辛く長い片想いに決着がついたのですから、それはもう最高にドラマチックでした。
自分の(半分は克巳の)部屋で、変わらず不器用に克巳に想いを告白する智朗。
始めは驚きつつ、智朗が本気で告白してくれていると知ると、明るくそれを受けとめようとする克巳。
けれどやがて堪えきれずにベットに突っ伏して顔を上げられなくなってしまします。

このシーンが私としては最高に好きなシーンです。
克巳が笑顔の裏で背負って来た色々なものを思って、3回読んで3回ともこのシーンで目頭が熱くなりました。
もちろん、このお話の面白さは智朗と克巳の恋愛部分だけでなく、智朗、克巳、伯父、伯母、由貴。草子に美姫。葛西医師。色んな人の人間模様も面白いです。
が、やっぱり私の中で一番印象的なのは智朗の告白のシーンでした。
読んだ後は良い意味で胸がいっぱいになります。

ちなみにこのお話、具体的な(?)Hシーンはありません。
代わりになんとも官能的なキスシーンがあります。
それがまたドキドキさせられます。
表題作のその後が「ヰタ・セクスアリス」「病めるときも健やかなる時も」になるのですが、こちらもラブラブではあるのですがHシーンはなしです。
「病めるときも~」ではそんな仲になってることは書かれてますけど、具体的な描写は無いです。
が、その会話の中で出てくる雰囲気なんかから愛があふれているのでHシーンが無くったって全然問題なしです(力説)

そして・・・3回目にじっくり読み返した際、克巳の明るくて、時に智朗を諭す言葉の数々に、読み始めから涙が出そうになりました。この言葉の裏にはこんな思いがあるのか・・・と。
このお話は、1回読んで終わり・・・ではもったいないと思いました。

・cross my heart
4章ある中で、この章だけ草子メインの章になります。
ラブラブになった直後の智朗と克巳も出てきますが、智朗と同じように後ろ向きで投げやりに毎日を送る草子救済編ってところでしょうか。
BLではありません。
克巳の担当医である葛西医師と、ひょんなことから再会し、交流する中で、自分が必要とされる喜びを取り戻すお話(でいいのかな?)。
こちらも心があったかくなるお話でした。

智朗には克巳。草子には葛西。
お互いが必要とし、必要とされる。
そしてお互いが生きる原動力になる。
そんな相手に出会った2組のお話を読めて、私自身も幸せになれた1冊でした。
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ユウリ

Author:ユウリ
趣味は読書(BL本多し)と野球観戦のしがないOL。ぼけ~っと日々過ごしていますが、時折「とぁっ!」っと突然に目にしたものに燃える(萌える?)傾向あり。
今まさに燃えているのがBL小説とダイエット。
あんまり陽気ではない(?)関西人です。

※BL本(いわゆる男同士の恋愛話の本)中心にメモしてますので、そいうことに嫌悪感を抱かれる方は、ご注意下さいませ。

※コメントやTBは大歓迎です!但し、あまりにブログの趣旨とかけ離れているような記事に関しましては予告なく削除させて頂きますのでご了承下さいませ。

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